「異本論」外山滋比彦

異本論 (1978年)
B000J8KUBM

まとめ読みしている外山さん本。

ピックアップ

・人間の耳は、すべてを平等に記録するのではなく、必要なものを選び出して聞いている

・文化はいわば植物的生命。「移植」はしばしば生命の危険も伴う。

・アートとは人間的営為によるものの意。もし”あるがまま”を理想とするならば、アートは否定されなくてはならない。

...

ピックアップ極小。もっとたくさんあるのだけれど、頭でまとめるのがいい気がする。相変わらずとても面白かった!

雑誌への連載をまとめたもののせいか、同じテーマを、さまざまな比喩や事例を用いながら繰り返しているような構成で、読み終わるころには、この「異本」の意味が積み重なる形で入ってきます。

また、「読書は受動的な行為でなく、能動的な行為である」というようなことを聞くけれど、その意味が本書を読むことでより納得できました。(いままではあんまりピンとこなかった)

それから、文学作品を読んだときに、ある多数の認める「解釈」を自分がとることができなくとも、また、まったく別の見方を自分自身がしてしまったとしても、それはぜんぜん恥ずかしいことではないんだということも理解できて、なんだかのびのびと本が読める気持ちになりました。
(インプットする媒体が違えば、当然アウトプットされるものも千差万別。作者の意図と違うのも当然あること。)

また、自分の読む行為自体が、本の古典化・異本 につながるソースのひとつになるかもしれないというのも、面白い。。。

ってなんかうまく説明できないのが悲しいけれど、面白かった!

また続けて外山さんシリーズたのしもう。

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